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理央がグラスを握る。
「望愛が隠そうとする気持ちはわかるけど、私たちにまで…ってことはないんじゃない?」
「そうそう、『社長と秘書』でしょ?いざって言うとき、助けられるの…私たちしかいないんだからね」
鼻の奥が少し痛くて、涙が滲む。
「理央…、奈美……ごめんね」
私も目の前のグラスを両手で包むように握りしめた。
この二人は…
本当に信用できるのに
私ってバカ。
二人の…言うとおりだよ。
「さ、乾杯し直し。いっくよー!!」
奈美がグラスを持ち上げて仕切り直す。
それに合わせて私と理央もグラスを掲げた。
「かんぱーい!」
「カンパーイ!」
「かんぱーい!」
今度の乾杯は
三人の声がしっかりと重なっていた。
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