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こうして、私は渉さんと一緒に暮らすことになった。
もちろん、住み家となるのは…
遠野邸。
私はそれが一層うれしかった。
周りによく聞く同棲って言うのは、二人でアパートやマンションを借りて住む…っていうのが定番だけど、
私たちの場所は最初から決まっていた。
渉さんはあの場所に私の居場所もつくってくれた。
渉さんは口では言わないけれど、誰よりも会長のことを大切にしている。
そして、佐和子さんのことも。
大切な人たちがいる中に、私も加えてくれるのだ。
渉さんがその場所に私を迎え入れてくれることは
本当にうれしかった。
ただし…
私のアパートはしばらくの間、そのまま残すことになった。
これは私がお願いしたことだった。
もちろん、最初は渉さんに一掃された。
『もういらねえだろ』
そこを私が必死にお願いしたのだ。
だって、ほら…
こういうことがあるでしょう?
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