恋バナ

8/21
前へ
/21ページ
次へ
私は扉附近のボタンの前。 彼は私の斜め後方の隅に寄って腕を組んで壁に寄り掛かった。 私は最上階なので、彼が先に降りる。 そして、6階。 広いエレベーターの中に2人だけ。 なのに、私は彼が降りる間際にさらに自分のカラダを端に寄せた。 ゆっくりと開く扉。 彼が壁から背中を離し、扉に向かう。 彼は一度エレベーターを出ると、 急にこちらを振り返り、閉まろうとする扉を両手で押さえた。 「桐谷望愛さん。花の金曜。これからデートでもどう?」 「え?」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1795人が本棚に入れています
本棚に追加