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室長と笑顔を交わしている最中(サナカ)、理央と奈美がわずかな時間差で出社した。
「おはようございます!」
「おっはようございます!」
二人の元気な挨拶に、秘書室内が一気に活気付く。
「さ、今日もガンバローね」
「うん、早いとこ準備して来よ」
「うん」
二人は私と渉さんのことを知り、室長の気持ちも知っている。
この二人には知ってもらえて、本当によかったのかもしれない。
理央と奈美がそれぞれの担当役員の部屋の準備に秘書室を出て行くと、室長と目が合った。
二人とも、明るく膨らんだ空気に微笑んで…安堵していた。
そして、室長の視線が私からその向こう側へ逸(ソ)らされる。
「…今日はずいぶん早いな。さ、君の担当、遠野社長のお出ましだ」
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