オバケ-2

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電話応対や雑務に追われながら、資料作りが始まった。 室長は何度も質問する私に、面倒がらずに丁寧に教えてくれた。 さすが私の教育係だ。 あっという間にお昼になって、理央と奈美はチャイムと同時に食堂に向かった。 室長はお昼になる前に会長の用件で外出した。 パソコンの液晶を見つめての悪戦苦闘の作業に、私は誰もいない部屋で大きく伸びをしてカラダをほぐした。 「うーーーーん」 天井を見上げて反り返る。背中を伸ばすと気持ちが良かった。 私がゆっくりとカラダを起こして正面を向くと… 「アハハ。可愛くて色っぽいね」 秘書室の出入り口に立っていたのは 噂の遊び人。 阿部尚樹さんだった。
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