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開くつもりなんてなかったのに、力の抜けた中指がマウスにわずかに触れてしまった。
自分の意思とは反して中身の覗いてしまった本文は…
『秘書っていうのは時間に正確なんじゃないの?予定を忘れるなんて、秘書失格。約束破るとどうなるかわかってる?』
心臓が破れそうなくらい大きく跳ねていた。
…コワい。
シンと静まり返ったフロア。
私の鼓動だけがうるさくて
他には何にも聞こえないはずなのに
私の恐怖を煽(アオ)るような音が響く。
エレベーターの扉が…
…開く音だった。
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