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私はずっと、ずっと昔のことを思い出していた。
渉さんとのグループ視察の帰りだった。
高速道路。
鳴り響く救急車やパトカーのサイレンに、私はカラダを硬直させていた。
怖くて怖くてたまらなかったあの時に、
渉さんは『怖くない』と言って私の手を握りしめてくれた。
あの時…
渉さんは私以上に…
怖い思いをしていたんじゃないの?
私以上に…辛かったのかもしれない。
…楽しいはずの…クリスマス…
唇をきつく噛んだけど、涙がそのまま流れてしまった。
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