怪奇現象

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俺は言いながらその位置を確かめるように徐々に唇を首から下へなぞる。 その間にもアイツは俺の唇の感触に少しだけ息を乱して感じていた。 「…ここか?」 「…それともここか?」 「ここなら…いいのか?」 アイツの甘い声が力なく洩(モ)れる。 コイツを弄(モテアソ)ぶつもりが… すっかりコイツにやられる俺は 大まぬけだと思いながら それでもコイツの計算ではない罠に堕ちていく。 目は口ほどに…というけれど カラダはそれ以上に正直で アイツの気持ちはもちろんよくわかったが 俺自身も 中も外も俺の全身がコイツを好きだと言っていた。
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