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本文は短い一文。
『この件について、お話ししたいことがあります』
それに加えて時間と場所が記されてた。
私は不審に思いながらも、添付されているデータを開いた。
小さな無題のデータが開くと、画面に映し出された画像に言葉を失う。
体中が熱くなって、鼓動が早まる。
どうしていいのかわからなくなって、息をするのも苦しかった。
画面いっぱいに広がったのは、渉さんの車を挟んで話す私と渉さんの姿。
その時の会話までもが聞こえてきそうだった。
力が抜けた私の指先が、マウスのスクロールボタンに触れて、画像がずれた。
その画像には続きがあり、私が車のドアを開けて乗り込む様子が、コマ送りのように続いていた。
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