怪奇現象

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心臓が… まだ落ち着いていなかった。 異様な不安が胸を締め付けていた。 秘書室に戻ると、室長は席を外していて部屋にはいなかった。 パソコンに近付くのでさえ、なんだか怖くて私はドア付近で数秒間立ち尽くしていた。 「あれ…?望愛、なんか顔色悪くない?」 半分席を立って、私の顔を覗き込むように言ったのは理央。 「あれ…ホントだ。どうした?具合悪いの?」 奈美もイスを回転させて身体を私に向けた。 「…ううん。なんでも…」 「ないワケないじゃない」 理央が両腕を組んで足も組み直した。
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