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結局、この日は渉さんは一日社外。
定時になると理央と奈美は通常通り帰り支度をする。
二人は私に念押しした。
「いい?絶対、あのメールは無視だからね?」
「絶対よ!」
「…大丈夫。もうメールも削除しちゃったから、場所も時間も忘れちゃった」
「さすが、望愛」
「それでいいから」
私は二人に笑顔を向ける。
「お疲れさま。ありがとね」
「じゃあね。望愛も早く帰りなよ?」
「うん、ありがと。これだけやってく」
「あ、そ。じゃお先」
二人はざわざわと秘書室を出て行った。
定時を過ぎるとやっと渉さん宛の電話やメールも落ち着いてくる。
私は二人を見送ると、渉さんへの連絡事項をまとめ始めた。
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