怪奇現象

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実は、理央と奈美に教えてもらって以来の私の密かな楽しみだった。 理央も奈美も同じ秘書なので手元は派手には出来ない。 もちろん、それは何かの規定で決まっているわけではないけれど、担当役員の顔を立てる私たち秘書の最低限のマナーだった。 あくまでも、私たち三人だけの共通の価値観によるものだったけど、悪い印象は与えていないはずだ。 『その分、見えないところをね』 そう言われてネイルサロンに連れて行ってもらったことが始まりで、その後は自分で出来るものをするようになった。 何か… 特別なことの前には 見えない部分でも 綺麗にしたくなる…。 特別な…何か 私は両足の爪を乾かす、変な体勢のまま時計を見た。 後… …10分。 時計の秒針が私の鼓動とリンクする。 細かく動き出す私の心臓は まるで初めての時みたいに緊張していた。
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