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その時、剣を持った男が近付いてきた。
「学園長、こんにちは!その少年は・・・」
「ああ、僕の友人の息子だよ。今度入学してくるんだ。そうだ、部長。この子と戦ってくれるかい?」
「はい!いいですよ!」
どうやらこの男は戦闘部部長らしい。てか勝手に話が進められていくんですけど。戦うことになってるんですけど。学園長が小声でいってきた。
「この部長に勝たないと入学はさせないから。特別試験だと思ってね。」
はい。面倒くさい事になりました。まあ、高校生の実力を試すにはちょうどいい機会だろう。
「君、武器は何がいい?」
「短剣でお願いします。」
俺はほぼなんでも武器は使える。でも短剣が一番しっくりくる。
「わかった。僕の武器は剣だよ。じゃあ、始めようか。」
刃がついてない短剣を渡される。
戦闘部の人達がなんだなんだとばかりに囲んで戦いを見ようとする。
そして学園長が合図をする。
「じゃあ、これから新入生対戦闘部部長の試合を始めるよ。」
戦闘部は遊び試合かとか部長がんばれとか部長の圧勝だろ等と色々言っている。完全にアフェーだ。
「ルールは殺傷なし。相手を降参させたら勝ちだよ。スタート!」
部長が構えをとるが俺は構えない。ただ短剣を片手に持っているだけだ。
「君が強いかどうかは知らないけどそれは余裕すぎないかな。でも部員が見てる前で負ける訳にはいかないからすぐ終わらすよ。」
剣を振りながら突っ込んできた。
難なく受け止める。最初はひたすら守ってようかな。
剣で何度も攻撃してくる。それを受け止めたりステップで避ける。
すげー、やるなー等の声が漏れてきた。
「やるね。本気で行くよ!」
さっきとは全然違うスピードで突撃してくる。
左斜め下、右斜め上、水平斬り、あいてる左手でパンチもしてくる。隙が無いほどの速い攻撃。
だが、全部短剣、ステップで避ける。これが高校生か。やっぱり弱いな。父さんから教えてもらった戦闘において最も大事なことを実行する。
美しく、芸術的に全ての技を破ってかっこよく、余裕で倒す。
聞けば最悪だろうが、なんとなく気に入ってる。
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