小さな種

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抜いてみろとでも言うように ビルが頷く 「ふーん、大きさの割に重いね...」 しゃらっと鞘から引き抜くと 少し特殊なフォルムをしていた。 ククリのように湾曲しており 本来片刃であるはずが両刃である 湾曲した刃の反対側も 一波のS字刃が有り 刃の部分は綺麗な波模様 柄は少し長くギリギリ 両手で握れる長さで 柄頭には球体のLCが ピッタリとはめ込まれている だが最も特殊なのはナイフの色 深い赤紫と言ったところか 少し禍々しさが漂う 「綺麗だけどちょっと重い?」 ヒュッ!ヒュッヒュ! 「凄っ!特殊な創りなのに刃がぶれない!!......でもこの柄、雷獣種の皮を巻いてるだけ??」 にやりとビルが笑う 「どっかの馬鹿力が使っても折れないようにな!ヌハハハ!」 「へーその人、馬鹿力なんだー」 ベルの頭をパンとはたく 「うえっ!?」 いきなり頭をはたかれ 目を白黒させる 「お前だ馬鹿野郎、ベルお前、ハンターになりてぇんだろ?」 「なんで知ってるの!?」 「曲がりなりにもおめぇの親父だぞ、知ってるに決まってんだろ?二日ほど遅れちまったが、15の誕生日プレゼントみてーなもんだ受け取れ」 ビルはくしゃっと笑顔を浮かべる 「あ、ありが「ぁあ!因みにそのナイフは、俺特性の皮剥、肉切り様のナイフだ。まぁ差し詰め狩猟ナイフと言った所か。素材は熱伝導率が高く、耐久性の馬鹿高いアディクト鉱の刃、赤紫のタンタル鉱のボディは耐熱性に優れ電気をよく通す!柄の中には比重の重いタングステン鉱を練り込んでバランスを取ってある、柄頭のLCには雷獣種の魔魂を積んである、様は電熱で焼き切るナイフだな!素材の鮮度は保てるし、鉄鋼マジロだって豆腐の様に切れる!」 一気にナイフの説明をすると 鼻から息をふんっ!と鳴らし 頬をぽりぽりとかく 「と、父さん?希少鉱石のオンパレードなんだけど?」 「それは気にするな!まぁ、そのーなんだ、おめでとさん」 そう言って黙々と飯をかきこむ 「ありがと……でもこれ、いくらするの?ねぇ?父さん??」
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