小さな種

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身体を洗い風呂を出て セットアップに着替え リビングへ向かうも ビルは上がって来ておらず 不審に思ったベルは頭をタオルで ガシガシと拭きながら 1Fを覗きに降りて行った 「父さーん?まだやってるのー?」 チャリチャリチャリと 研磨機で刃物を研ぐ音が響く 「なんだ?飯かー?」 手元を見つめ作業しながら ベルに返答する 「いやまだだけど、何作ってんの?」 「すぐ分かる、飯作っててくれー」 飯の催促をしつつ 機械での研磨工程を終え 磁鉱石の欠片を使った 研磨に切り替える 「分かったよー!完成したらみせてねー」 タオルを首に掛け直し ビルの返事を後ろ耳に 3F迄の螺旋階段を駆け上がる (磁鉱石の研磨って事は、農具じゃないし、やっぱ片手剣?いや、片手剣にしては小さいし双剣なのかな?.....) 「晩御飯なにがいいかなー?焼き魚と和え物、あとはお米でいいよね?」 誰に聞くもなくうんうんと頷くと 保冷蔵から新鮮な魚と 青々と葉を伸ばした葉物野菜 調味料と米を取り出した ベルは手際良く魚の綿を取り出し 塩をすり込み網焼きにする その間に米を洗い釜炊に 葉物は一度熱湯にさっと通し 冷水に浸した後水気を切る 手で一口サイズにちぎったら ボールに盛り海藻と かるく擦った胡麻、醤油で合える 焼き上がった魚と和え物を テーブルに並べ米の炊き上がりを 待っていると手に何か持ち 首からタオルを下げたビルが リビングへとやって来た 「おー!今日は和食か!旨そうだ!」 和え物に手を伸ばしつまみ食いを 試みるがベルの視線に気付き 手を引っ込め代わりに 革張りの鞘に包まれ 片手剣と呼ぶには小さく ナイフと呼ぶには大きすぎる えものが一振り差した 真新しいハンター帯が置かれた 「どうしたのそのハンター帯?新しい依頼?」 丁度炊き上がった米をよそい テーブルに茶碗二つを並べる 「んーというより、ハンター修行に行く事になる奴へのプレゼントだな!」 ベルはハンター帯から中途半端な 大きさの鞘に収まったナイフを 手に取るとビルを見る
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