第4話

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「その、君ってやめてよ。私には三縞 由莉って名前が・・・。」 「わかったから、起きてくれ。」 「なま・・・いき・・・よ・・・。」 「あちゃー、完全に寝ちゃったよ。・・・大人っぽいと思ったけど、寝顔は年相応だな。」 夢を見た。 フワフワとした感覚の中を、ひたすら走っている私。 辺りは真っ暗で、どこに向かっているのか、方向もわからない世界。 泣いて、立ち止まった私に、大きな手を差し伸べている人がいる。 その手を取っていいのか、取るべきなのか悩んでいると、いつの間にかその手は消えている。 待って、おいて行かないで。 誰でもいいから、ここから助けてっ。 「待ってっ。」
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