第5話

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ヒステリックな女性(名前知らない)は、すごい形相のまま展望フロアから出て行った。 私は、その場に座り込んだ。 こ、怖かった・・・。 っていうか、叩き返してない。 むっとしていると、辰巳さんは私と同じ視線までしゃがみこむと、そっと私を抱きしめた。 壊れ物でも触っているかのように、とても優しく。 「巻き込んで、悪かった。ほっぺ、痛いだろ。」 「あ、そういえば・・・。」 「でも驚いた。あんな風に怒るなんて・・・・。」 「気付いたら、カッとなって。」 「でも、嬉しかった。やっと、信じてくれたんだな。」 「・・・待たせてごめんなさい。」 「いや、いいよ。」
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