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辰巳さんは優しく抱きしめると、再び優しいキスをくれた。
その日の帰り道、私は車を運転している辰巳さんに、聞いてみた。
「そういえば、フィアンセってなに?」
「あぁ、それな。」
「ただのリーマンじゃないの?」
「俺はただのリーマン。親父が、特別でな。簡単に言えば、お金持ちのボンボン。」
「・・・・・・。」
「でも、親父の仕事を俺は継ぐ気はない。親父もわかってるから、好き勝手やらせてもらってる。」
「・・・・で、フィアンセって?」
「親父の取引先の、お嬢様なんだよ。でも、あいつが勝手に言ってるだけで、両家の親にその気はない。」
「・・・・・そうなの。」
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