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「言っておけばよかったな。」
「ううん、いいよ。聞かなかったのは、私なんだし。」
「そういや、なんで聞かなかったんだ?」
「怖かったの。聞いてしまったら、今までのことが全部、なくなってしまいそうで。この関係が終わるのが。」
「そんなこと考えてたなんて。可愛いな、お前。」
「・・・ばかにしてる?」
「全然?全力で、褒めてる。」
ちょうど信号が赤になり、車が止まる。
辰巳さんはこっちに身を乗り出して、私にキスをした。
それもさっきとは違う、甘いキス。
私は、抵抗せずキスを受け入れた。
信号が青になったので、離れる。
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