第5話

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「言っておけばよかったな。」 「ううん、いいよ。聞かなかったのは、私なんだし。」 「そういや、なんで聞かなかったんだ?」 「怖かったの。聞いてしまったら、今までのことが全部、なくなってしまいそうで。この関係が終わるのが。」 「そんなこと考えてたなんて。可愛いな、お前。」 「・・・ばかにしてる?」 「全然?全力で、褒めてる。」 ちょうど信号が赤になり、車が止まる。 辰巳さんはこっちに身を乗り出して、私にキスをした。 それもさっきとは違う、甘いキス。 私は、抵抗せずキスを受け入れた。 信号が青になったので、離れる。
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