第5話

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「あほか。俺の方が恥ずかしい。」 「でも、いつも余裕そうに見えるよ?」 「心の中は、違うって。」 「えぇー・・・?」 「理性保ったり、可愛いなって思って笑いそうになったり。そういうの、かなり抑えてんだから。」 「どうして?」 「いろいろ、偉そうなこと言ったからな。大人として・・・。」 「私には、素でいろって言ったくせに?」 「あほ。俺が本能のままになったら、とっくに食われてるぞ。」 こうした、やり取りですら嬉しくてたまらない。 辰巳さんの目は、いつも優しく私を見守ってくれている。 私のすべてを包み込んでくれる。 きっと、一年後の私の私の隣には、変わらず辰巳さんがいて。 私の左手の薬指には、辰巳さんから贈られた指輪が、輝いているんだろうな。
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