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シュリが連れ出してくれた外の世界。
そして夜が明けると共に街は目を覚ます。
それはお城の中とは全くと言っていいほど華やかな世界だった。
街に立ち並ぶ店先には沢山の美味しそうな物が置かれ広場では音楽隊が演奏しながら踊り子達が舞踊る。
全く初めてみるこの世界に私は戸惑いながらシュリの後ろ袖をしっかり掴んで歩く。
そんな華やかな世界を通り過ぎたその光景は私に壮絶な印象を脳裏に植え付けた。
華やかだった世界が一変し闇のような世界に入り込んだかのような…。
道端に座り込むガリガリになったお婆さん。
そしてその脇には犬の死骸。
そこで遊ぶ子供達の姿は無い。
食べ物を探しゴミ箱をあさり物欲しそうな横目で私を見つめる子供達。
私は怖くて怖くて仕方なかった。
思わずシュリの背中にしがみつく。
シュリはそんな私を見かねたのか優しく手を繋いでくれた。
私はその住人達の冷たい目線を背中に受けながらただひたすら周りを見ないようにしながらシュリの後を追った。
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