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そんな私を見てシュリは優しく微笑むと持っていたマグカップを私に手渡した。
「いいさ。気にしてないよ。あれだけデカい屋敷に住んでたお嬢様じゃ貧乏人の生活なんて想像してなかっただろうしな。」
図星だった。
確かにこんな生活感は想像さえしていなかった。
「うっ瀨」
シュリは急に傷口を押さえしゃがみこんだ。
私は慌ててシュリに駆け寄るとシュリの傷口を気にした。
「大丈夫瀇」
私がそうシュリに言うとシュリは笑みを浮かべ…
「気にするな。この位の傷なんともないさ…。」
そう言いながらシュリは体勢を整え椅子に座った。
「無理しなくても…お医者さんに行きましょう。」
私はシュリの手を掴んで医者へ連れて行こうとしたが強いシュリの力にかなうはずも無くシュリは椅子から立ち上がろうともしない。
「シュリ…何故…」
私はシュリにそう問いかけるとシュリは静かに話始めた。
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