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「ティファ…ティファが思うほど世の中は明るい場所ばかりじゃない。光があれば影が出来る。世の中そうは上手く行かない。…見ただろ?ここへ来る途中の光景。行き場を失い路上で果てる奴も少なくないんだ…そんな俺達を見てくれる医者なんてこの世にはいないんだ…。俺はこんな世界に暮らしている。嫌なら帰れ。」
シュリの瞳は寂しさに満ちていた。
そんな寂しい瞳に吸い込まれそうな私。
「あなたを…あなたをもっと知りたい…外の世界をもっと教えて…。」
私はシュリにしがみついた。
するとシュリは優しく私を包み込んだ。
「あんた…おもしれーな。お姫様のくせに…」
そう言うとクスッと笑った。
そしてシュリからは森の匂いがした。
優しい香りが私を包み込んだ。
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