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シトシトシト…
ここは膨大な敷地の中に建てられたお城…
門までの長い道のりを沢山の花達で彩られ昼間は沢山の蝶や鳥達が舞踊る。
そんなお城の2階の一郭が私の部屋。
いつになく静かな雨で私は目が覚めた。
まだ辺りは真っ暗だと言うのに何故か眠れない。
私は部屋の窓をそっと開けると右手を外に差し出した。
冷たい雨が霧雨のように細かく辺り一面白い霧のようにも見える。
ひんやりと冷たい空気が私の手を濡らす。
そして私は窓越しに頬杖をついて黙ってその雨を見つめていた。
生まれつき心臓病を患いこの部屋から出た事のない私にとってこれが唯一の楽しみでもあった。
っとその時…
鋭い目線を感じた私は感じるがままその目線を探した。
霧の切れ間から人影。
「誰?」
私は思わずそう呟くと目を凝らした。
辺りは暗闇でしかも霧がかっていると言うのに彼の姿がはっきりと見て取れる程だった。
不思議な感覚に襲われながらも私は彼をしばらく見つめている。
金髪の髪の毛にブルーの瞳はこの世の者とは思えない程美しく何故かその美しさに吸い込まれそうな程だった。
ドキッ…
私の心臓が高鳴る。
こんな私ティファが初めて恋した瞬間。
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