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そう…。
私はこの国の国王の娘。
ティファラ国の国王として生まれた父親の子供。
ティファラ国から取られた私の名はこの国の女王にしたいと願う両親からの運命の名。
私の父と母は国王としてのプレッシャーの為かなかなか子供が授からずやっとの思いで私を宿したが先天性の心臓病と分かりいつまで生きられるか分からない私をそれはそれは大事に育ててくれた。
けど…。
私は羨ましかった…。
この屋敷から一歩外に出た景色が…。
それを見ることさえ許されないこの現状が私はとても嫌で仕方なかった。
だから私は友達と言うものも知らないままだった。
そして恋をすると言うことも…。
だから男の存在が私にとって凄く新鮮なものだった。
私は男にかぶせた布をそっとめくりあげた。
そこには服もびしょ濡れの彼がそこに横たわっている。
私はそっと彼の髪をかき揚げようとした瞬間彼は静かに瞳を開けた。
「良かった…。もう大丈夫よ。直ぐに治療するから。」
私は予備に置いてある部屋の薬箱を取るべく立ち上がろうとした瞬間…
ガシッ…
っと勢いよく腕を捕まれたのだ。
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