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そして静かに流れる時間の中シュリは沈黙を破った。
「あんたまさかずっとこんな所に居るのか?」
シュリは私の何かを感じているのかそう問いかけてきた。
私は黙って頷いた。
「マジかよ?!嘘だろ…。」
外の世界から来た彼からしてみたら信じられないのは仕方ない事。
それは仕方ない事だと思う。
しかし次の瞬間彼は私の心を見破るかのように…。
「ここから出てみたくないか?」
そう言った。
私はドキッと心を高鳴らせた。
外の世界に出たい。
けど無理なのは分かっていた。
「無理よ…。誰も私を外に連れ出してはくれないわ。お父様もお母様もじぃも兵たちも…。」
私は諦めていた。
しかしシュリの口から出てきた言葉に私は驚きを隠せない。
「俺が外に連れ出してやるよ。」
シュリはそうにっこり微笑むと私に手を差し伸べた。
私はそのシュリの手に吸い込まれるようにシュリの手を掴んだ。
するとシュリは私を抱え2階の窓から飛び降りた。
私は自由になりたかった。
こうして私とシュリは外の世界へと飛び出したのである。
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