─仮面の恋─ Act5.初めての夜

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入れ替わりにサト君がシャワーに行ってる間、あたしは、一人がけのソファに腰かけてた。 テレビのリモコンを渡されて、適当にチャンネルを変えてみたけど、何も頭に入ってこない。 結局、サト君が見てたニュース番組に戻して、ぼーっとしてた。 十五分も経たないうちに、バスルームのドアが開く音。 背後から伸びてきた手が、あたしの手からリモコンを取り上げた。 かすかな音を立てて、テレビの画面が暗転する。 後ろから肩に回ったサト君の手が、あたしに立つように言ってるみたいで。 サト君の顔……近い。 髪が濡れてる。 「おいで」 ささやくような声で呼ばれて…あたしは、ソファから立った。 なのにそれ以上は、自分からは動けなくて。 サト君はためらうあたしの腕を軽く引っ張る。 緊張しすぎて、体が自分のものじゃないみたいだった。 部屋にあるのは、大きなダブルベッド。 沈みすぎない、ほどよい硬さ。 手をついて感触を確かめたあたしの肩に、サト君の手がかかった。 肩を後ろに引っ張られて、あたしは半回転してベッドに倒れ込む。 目の前にサト君の顔がせまる。 反射的にあたしは目を閉じた。 唇を割って入り込む柔らかい感触。 生温かくて…少し、甘い。 それと同時に、首筋から肩を手がなぞっていく。 「…ぁの……明るい……」 唇が離れた時、やっとの思いであたしはそれだけを言った。
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