第2章

3/33
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「智也、最近楽しそうだな」 拓人がパンを食べながら言う。 「別に、なんでもねぇよ」 俺は動揺して、焦る。 もちろん、この二人にも由香里のことは言っていない。 「智也くんは楽しそうでいいですね。俺なんて、3日後のテストが恐ろしくて、寝れねーよ」 正樹がため息をつく。 「よかったね」 拓人が呟く。 「拓ちゃん、酷い」 正樹が両手で顔を覆い泣き真似をした。 そんな、正樹を無視して拓人が話を続けた。 「・・・俺ももうじき勉強始めなきゃいけないな。前のテストは簡単なテストだからよかったけど」 中学初めてのテストは初めてと言うこともあり簡単なテストの教科が多い。 「・・・智也、やってる?」 拓人がパンの袋を片付けた。 「あー、国語だけ」 俺も自分のパンの袋を片付ける。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!