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で、その可愛らしい口から、俺の足が、キューと細くなって、ニュルニュル出ている。
「うわああああ!」
俺は、叫んだ。
体が口から出終わって、ごとん、と床に落ちた。
とにかく立ち上がった。
これが立たずにいられるか?
目の前のお姉さんが驚いたような顔をしている。
いや、なかなか、きれいな人だなあ。
てなことを考えてる場合ではない。
俺は状況がわからないので、周りを見渡した。
手にはリュックがある。
アパートを出たときとは、違うリュックだ。なぜだ?
もう一個あったはずのショルダーバッグは、ない。
俺の後ろには、若い女性が立っている。
俺は、どきりとした。
なぜかわからないが、とても惹かれる。
若い女性は、ものすごい驚きの表情で俺を見ている。
どうしたわけか、異常なくらい、惹かれる。
若い女性の口から少しヨダレが垂れている。
…
俺は、なんでまた、口から出てきたのだ?
「どーいうことダあ!」
俺は、また叫んだ。
2人の女性はよく見ると、巫女の衣装を着ている。
若い女性も口元のヨダレをたもとから出したハンカチで拭きながらきれいなお姉さんに、
「どーなってんのよ?!」
と、叫んだ。
お姉さんが、俺の肩を叩いた。
「どうやら、彼が、そうらしいわね。そうとしか思えない。」
若い女性は、俺の方をみながら、
「嘘でしょ?…だって、人間みたい。
ていうか、人間でしょ?
しかも、凡人ぽいじゃないの!」
と、言いながら床にベタンと、崩れるように座り込んだ。
なんだか、さっぱりわからない。
誉められてはいないようだ。
俺はとにかく、話をすることにした。
「悪いんだが、…ここはどこなんだ?
こんな美人がいるとなると、天国…?」
やや歳上のきれいなお姉さんは、俺よりやや上のようだ。俺が19歳だから、20か、21くらいかもしれない。
俺を口から出した女の子は、俺よりちょい下か?
お姉さんは、
「日本語は話せるのね。
初めまして。私は佐倉 サツキ。
後ろにいるのは、妹のサユリよ。」
と、説明してくれた。
きれいなお姉さんが、自分から名前を教えてくれるなんてありがたいが、今はそれどころではない。
「さっきまでアパートの階段を下りていたんだけど…」
なぜ、ここにいる?
サツキという女性は、小首を傾げた。
「あら?ということは、どこかに住んでいた実在の人間なの?」
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