第1章

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『この庭は、呪われている。』 暗い森の奥には小さな小屋があった。 その小屋には小さな少女が、黒猫と2人で棲んでいる...らしい。 その森は、俺の通う学校から少ししたところにある。 「森、探検しに行かない?」 「......はぁ」 同級生のあまりにも子供っぽい一言に溜息が出る。何言ってんだこいつ。 「なんだその反応」 「見ての通り呆れてる」 「デスヨネー」 でもでもでも!と同級生・佐藤茶虎(さとう ちゃとら)が手をぶんぶんふっている。 「知らないの!?森の奥に小屋があって......」 「聞き飽きたよそれ」 まったく子供じゃないんだから、と言い捨てて、俺は鞄に教科書を詰める。あと、猫のノート。 「一回だけでいいの!お願い、一緒に行こうよ!」オネガイシマス 一回だけ、か。 一回なら、ていうか、一回は行かないとうるさいからなぁ......と考える俺。 「......ね?」 「..................」 そうだなぁ、仕方ない、か。 「わーかったわかった、行くよ。但し一回だけな?」 「やーったぁ!!よーしじゃあいくぞ!」 「腕引っ張らないで!痛いよ」 「ごめんって!じゃあ、行こ!」 教室の窓から見える夕日に照らされて、森はより一層暗く見えて...........何かがいるような気がした。
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