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『この庭は、呪われている。』
暗い森の奥には小さな小屋があった。
その小屋には小さな少女が、黒猫と2人で棲んでいる...らしい。
その森は、俺の通う学校から少ししたところにある。
「森、探検しに行かない?」
「......はぁ」
同級生のあまりにも子供っぽい一言に溜息が出る。何言ってんだこいつ。
「なんだその反応」
「見ての通り呆れてる」
「デスヨネー」
でもでもでも!と同級生・佐藤茶虎(さとう ちゃとら)が手をぶんぶんふっている。
「知らないの!?森の奥に小屋があって......」
「聞き飽きたよそれ」
まったく子供じゃないんだから、と言い捨てて、俺は鞄に教科書を詰める。あと、猫のノート。
「一回だけでいいの!お願い、一緒に行こうよ!」オネガイシマス
一回だけ、か。
一回なら、ていうか、一回は行かないとうるさいからなぁ......と考える俺。
「......ね?」
「..................」
そうだなぁ、仕方ない、か。
「わーかったわかった、行くよ。但し一回だけな?」
「やーったぁ!!よーしじゃあいくぞ!」
「腕引っ張らないで!痛いよ」
「ごめんって!じゃあ、行こ!」
教室の窓から見える夕日に照らされて、森はより一層暗く見えて...........何かがいるような気がした。
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