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見張りの男は険しい表情になった。
「……奴らは準備が整い次第、こちらへ向かって攻めて来ると思われます……」
ストーグは周囲の者達に声をかけた。
「直ちに、全ての者に召集をかけよ!我々の存続を賭けた最終決戦が始まる!」
「はっ!」
マーマンの戦士が出ていくと、メルリアは不安そうな表情をストーグに向けて来た。
「兄様と姉様は……無事なんでしょうか?……どこかで……生きて……くれれば……」
ストーグは、彼女の頭の上に手を置き、優しく撫でた。
「……大丈夫だ……二人はどこかで生きておる……お前は、二人が帰って来られる様に、ここを守っておくれ……」
決意を秘めた表情になったメルリアは力強く返事をした。
「はい……」
ストーグは彼女に微笑むと、威厳に満ちた声を響かせた。
「これより、戦いの準備に入る!生き残るためのな!」
次の日。
朝早くから光の人魚達は闇の種族に攻撃を仕掛けた。
夜にローレライ達がやって来ると思った彼らは、太陽が昇っている間に攻撃を仕掛ける事で、戦況を有利にしようと考えた。
これは上手くいき、油断していた彼らに大きな損害を与えた。
ハルフゥの魔道士の集団をマーマンの戦士が囲み、遠距離から敵の集まっている場所へ向かって魔法を次々放って被害を与えていった。
虚を突かれた彼らのいくつかは、後退せざるを得なかった。
昼間は光の種族の時間であるため、彼らの行動は思った以上に悪かった。
防衛の島であるセイフォン島に上陸した光の人魚達は、島の変わり果てた姿に驚いた。
「全てが……焼かれてしまっている……」
「何て奴らだ!」
「酷い有様だ……」
「これでは……」
過去の人々が作っていた建物は破壊され、一部が焼け落ちていて、周囲にあった果実の木々に果実は無い。
かなりの数がいるらしく、闇の者達は食料を様々な場所から調達しているようだった。
報告を聞いたストーグは、僅かな笑みを浮かべた。
「なるほど……奴らは食料がなくなりかけておるようだな……」
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