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闇の中に一つの白い雷光が落ち、その後、闇の霧が晴れると、そこには黄金の光を受けた小さな島が見えたと彼女は言った。
「島だと?……ここから西に?……」
ストーグは、ここから更に西の海域の事を思い出そうとしていた。
「……確か……ここから西は……島などなかったはず……どこまでも広がる海が存在していたはずだ……黄金の光を受けた島など……聞いた事が……」
メルリアは、その光景を思い出しながら、呟いた。
「……島の中には光の戦士達と、妖精が見えました……」
円卓を囲んでいた一人のハルフゥが何かを思い出していた。
「聞いた事があります……ヤシュトー様から……妖精の島なる物があったと……過去の世界に……」
ストーグは初めて聞いた事だった。
「……そんな場所が存在しておるのか……小人のラスハ・イムの伝説ならば知っておるが……妖精の島か……」
メルリアは瞳を閉じたまま涙を流した。
「……そして……私の心は満たされました……とても……理由は分かりませんが……その光に覆われた時……凄く懐かしい気持ちが心の中に現れて……」
ストーグは彼女から視線を外した。
「……そうか……そんなものが見えたか……」
凶兆を示す物でなくて良かったと彼は思った。
(とりあずは良かった……だが……)
今の現状は非常に厳しいものがあった。
(今は……ここを何とかして守らねば……ファリオール……エリーシャ……せめてお前たちがいれば……)
ストーグは自身の息子と娘を思い出していた。
(二人が……生きてさえいてくれれば……)
彼は一向に帰って来ない二人の事を諦めていた。
(この世界は……どこまでも闇の霧が続く世界……光など……存在するのか?……)
考えていると、部屋にマーマンの戦士が入って来た。
「族長!偵察に行った者が帰ってきました!」
ストーグは、その者を呼ぶように言った。
「はい!」
すぐに全身ずぶ濡れのマーマンがやって来た。
「どうであった!?」
マーマンの戦士は、円卓の前に立つと、険しい表情になった。
「……奴らは……かなりの数を、あの島に集めているようです!」
島の中、その周囲の海域に闇の種族は集まっていて、見た事の無い魔物までいると彼は言った。
ストーグは椅子から立ち上がった。
「何だと!?」
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