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後ろは館の入り口で、その中から別のローレライが出て来ていた。
「まだいたのかよ！」
敵は槍を構えて、デュランの下へやって来る。
「仲間をどうした！？」
デュランが体を動かして、攻撃を避けると、ユラトがその間に割り込むようにやって来て攻撃を繰り出した。
「ここは俺達の島だ！出ていけ！」
彼の突きは、振り払われた槍で弾かれる。
「はっ！」
腰のベルトに両手を付けたデュランは二人から離れ、素早く投げナイフを敵に向かって投げた。
「この領域からもな！」
ナイフの一つは避けられ、もう一つは回された槍の柄に当たった。
「人間共、諦めろ！ここでは既に我々の領域だ！」
マーマンは、そう言って二人から距離を取った。
ユラトは敵が思った以上に動けている事に驚いていた。
（戦い慣れしている……これは結構厄介だ……）
デュランも腰から短剣を抜いた。
（結構面倒な奴だな……）
彼の下には魔法の蛾がヒラヒラと近づいていた。
数匹いて、それらはデュランのベルトの中に納まっていく。
ローレライのマーマンはそれを見てすぐにユニークアイテムであると思った。
（人間共め……奇妙な物を持っている……これは不味いな……）
闇のマーマンは館の方へ向かって大声を張り上げた。
「誰か来てくれ！人間共がやって来た！」
ユラトとデュランは入り口の方を見た。
（しまった！）
（まだ居やがるのか！？）
開いている入り口からマーマンが二体現れようとしている。
「数が少ないと思ったら、外にいたのか！」
「どこだ！」
新たに現れた二人のマーマンもまた槍を装備ていたが、二人は三又に分かれていない真っすぐな槍を持っていた。
ユラトとデュランは互いに顔を合わせると、すぐに後ろに下がった。
「デュラン！」
「ああ……分かっている……」
デュランは短剣をしまい、投げナイフを左右の手で取った。
「ユラト……あれをやるぞ……」
ユラトは、彼の考えている事が分かっていた。
「……そうだな……それしかない……」
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