第五話 帰還

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「昨日の昼には戻るはずだった、この町の開拓者らしい……だが戻ってこないので、今朝から捜索隊が編成されたが、既に間に合わなかったようで発見された時には、この有様だったらしい……」 デュランは少し気になることがあったので、その男に場所を尋ねた。 「場所は、どこだ?」 男は眉を寄せ、腕を組みながら答えていた。 「場所は確か……西の草原地帯とか聞いたな……俺もまあ、詳しくはわからんがな……」 そう言って男は、その場所から去っていった。 場所を聞いたデュランは左手の親指と人差し指を自分のアゴの方へ持っていき、軽く摘む仕草を何度も繰り返していた。 これは彼が考え事をする時にいつもする癖だった。
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