第3話*噂話

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思い出すだけで恥ずかしいけど、あの優しさに救われたのは事実。 たくさん泣けたおかげで、私は今、気持ちが楽だった。 兄と壁一枚で仕切られたこの部屋では、あんなに大泣きすることはできなかったと思うから……。 お礼を言いたいけど、携帯番号もメールアドレスもわからないから伝えられない。 連絡網はあるけど、家に電話をする勇気はさすがにない。 学校に行ったら優に「ごめんね」と「ありがとう」を言おう。 そう決めて、熱でダルい体をベッドに沈めた。
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