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それでもしばらくは優を見つめていたけれど、優は本の世界に閉じこもってる。
「本当にありがとね。ごめんね?」
多くは望まない。
全然恋人っぽくないじゃん!って思ったけど、“伊東優の彼女”っていう名称を私に与えてくれただけで良い。
すぐに立ち去ろうと思ってた。
けど、優の髪が太陽の日差しを受けてキラキラと輝いていて……。
綿菓子のような。
甘くて溶けちゃいそうなそれに、つい手を伸ばしてしまう。
「なに?」
顔は本に向けたまま、目だけを動かし私を見る優は、本気でウザそう。
「えっ、あ…っ」
その目に戸惑った私は、
「キレイな髪だなぁと思っ、…私、何言ってだろ?」
つい飛び出た言葉に混乱する。
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