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しかし、私は運が良かったのだ。
あのラブホテルは造りが古く、入口のドアがオートロックではなかった。
酔っ払っていたミックは、私を連れて部屋に入った時、部屋の鍵を掛けていなかったらしい。
「部屋の中に入ったら、お前はベッドに押し倒されてその上にミックが馬乗りになってたのさ。
あと少し遅かったら、正直どうなっていた事か・・・。」
想像しただけでも恐ろしい。
いや、これは想像なんかじゃなく実際に自分の身に起こった現実なのだ。
さっきまで何気なく話していたはずのオーストラリア人の事が、一瞬にして恐怖の存在に変わる・・・。
俊哉が追い掛けて来てくれなかったら、私はきっと最悪な状態に陥っていたのだろう。
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