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『離せよ!!これは俺んだ!!』
『違う!!僕だ!!!!』
大きな聖ローザ大聖堂にぴったりの大きな大きな礼拝堂の中で、二人の少年が声を荒げていた。
二人の間にあるのは一枚の甘い甘いチョコレート。
ふたりの真ん中で奪い合われながら震え、割れそうだよと軋んでいたチョコレートがー……ふわりと宙に浮いた。
…否。
誰かに持ち上げられたのだ。
『こーらー。礼拝堂で大声出してるのはお前達か?』
一人の修道士が少年達の頭をわしづかみにすると、目線を合わせる様に座り込む。
その優しそうな瞳を見返した少年らは、嬉々の煌めきを各々の目に輝かせつつも
『だってこいつ弟のくせに生意気なんだもん!!!チビ!!』
『兄貴だからっていっつもいっつも偉そうなんだよ!!!!バーカ!!』
ーと喧嘩を続ける。
そんな二人の少年へ目を合わせる様に、青年は優しく頬を撫でながら自身へと身体を向かせた。
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