第二雫†薔薇の聖戦士

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皆、滝の様に汗を流し肩で息をしている。 ロッジの足元にはちょうど同じ高さにまで盛られた岩場が存在していたので、滑る様にそこから練習場へ降りると、ヴァイスそしてシュヴァルツも続いた。 『こんにちは、ロッジちゃんにシュヴァルツちゃん、ヴァイスちゃん♪今日も揃って癒されるわ~♪』 うふふ、と笑いながら歩み寄ってきた男性は、女性の口調で軽やかに距離を縮める。 赤紫色の髪はくるりとうねり、薄い空色の瞳を白く見せるくらいにはっきりと空の光を跳ね返す。 隊服ではなく、黒のハイネックに深緑色のパンツ。そして華奢な体には少しばかり大きく、そして柔らかな白衣を纏う。 背の高さはシュヴァルツ、そしてヴァイスに並んでいる。 先ほど、シュヴァルツが“医療班と兼任をしている”と言っていた通り、彼からは苦い薬の香りがほのかに漂い、鼻を燻ぶった。
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