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「ちょっと、話が飛びすぎじゃないか?」
「かもな。だが、これから話はもっと飛ぶ。この世界が生まれるころから、遡る必要があるからな」
「……マジか?」
「大マジだ」神は大きく息を吸う。「お前は、この世界ができたころの話を知っているか? 神様は、この世界を作った神様は、多種多様な人種を作ったという、あれだ」
「……ああ。ここでも読んだし、愛……最下荘で、勉強を教わったときにも読んだ。それがどうした?」
「あれに書いてあっただろう? 人間は、神様は作らなかったと。なんの能力を持たない人間は、神様は産まなかったと。その通りだよ。その通りなんだよ」
「でも、実際は」
愛は。
「ああ、人間がいる。これはどういうことだと思う?」
「どういう……」
「人間は、後で生まれたんだ。長い長い時間をかけて生まれた、人工的な人種。それが人間だ。それが、この世界を壊す原因になっている」
神様が望まなかった人種。神様さえ予測できない人種。
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