第1章-出会い-

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人は問う 己とは何か。 個とは何か。 生とは何か。 人は問う 生きる意味とは何か。 「1973年8月30日生まれ 名前は夏音 海(なつおと かい)です」 1992年桜が咲く頃の4月5日 大学の一室にその名前は響いた。 少年は自己紹介が終わると 自分の席に戻っていく。 まるで ここは自分の居場所じゃないと言うように。 4月5日 僕は地元で有名な医大に入った。 未来を約束された道を歩く第一歩。 午前12:15分 大学のオリエンテーションが終わり僕はすぐに帰路へと足取りを向けた。 「おい夏音!」 なんだ? 知り合いはいないはずだけど。 「なに?」 振り返りながら答える。 すると 「俺は東雲(しののめ)って言うんだ よろしくってさっき自己紹介したか」 東雲? 珍しい名前だから憶えている。 「あぁそれで東雲 何かようか?」 「あぁ、この後皆で歓迎会をやるらしいんだけど来ないのか?」 「いや、僕は行かない」 「そ、そうか わかったよ」 「おうそれじゃまたな東雲」 僕が憶えてたら話しかけよう。
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