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  実の所、少女は国内にある貧困街にも店を出していた。『イズム』ではなく『イスト』という名前で。『イズム』が『~主義』ならば、『イスト』は『~主義者』。 『イズム』の外観が濃い森を連想するならば、貧困街にある『イスト』の外観は漆黒に近い濃い灰色をしていた。貧困街にある、人の心にある、闇の色。店内は、光を連想する白を基準にしている。眩しくもなく、だけれども闇を知る者には眩しい配色かもしれないが。 『イスト』は規模が『イズム』より小さい。所有者のいない空き地があっても、無断で家を造り住まう者がいる為に、なかなか見付からなかった。やっと見付かった空き地は、規模が小さい。けれど、空間属性の魔法があれば関係ないのだけれど。 一夜にして建物は出現し、『イスト』を出店した。支払い方法はお金ではなく『情報含む物々交換』にした。万引き盗難対策は、『イズム』と同じ方法。『イズム』は食堂もやるが、『イスト』は食堂はやらない。食堂ではなくて、テイクアウトが出来る食品売り場をやっている。 よって、『月の日』は薬屋、『炎の日』は休み。『水の日』は食品売り場、『森の日』は菓子売り場、『金の日』は雑貨屋、『土の日』は酒屋、『光の日』はパン屋となる。食品や菓子、酒、パン類はテイクアウト可能になっている。 『イズム』は店内で飲食が出来る店で、『イスト』は店内で飲食は出来ないがテイクアウト出来る店。勿論試食や試飲は可能になっている。入り口に設定した『声』も内容を変えているが基本的に『イズム』と一緒だ。『雇われ店員』として店にいる。  
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