一話

仲の良い人、悪い人

｢見たって......噂でも流れてんのか？ヤバい感じの。｣
｢知らねぇけど、ヒソヒソ言ってたんだよ。｣
｢ほ～…それを聞いてまた、嫉妬？(笑)｣
｢違う違う。｣
全く.......
｢それで、どうなのさ？｣
｢どうって、この前図書館で......｣
｢そこ！そこだよ！！そこ！！｣
｢え？図書館？！｣
｢図書館で、何があったの......？｣
｢図書館で......？ん～…思い出せない。｣
あんな事が起こってたのに思い出せないぃ？(怒)どーゆこった！こっちはその噂のせいで俺がどう思ってるか知りも知らないで........
｢は、晴？！なんで、泣いて.....｣
｢.....泣いてない。｣
｢泣いてないって......じゃあ、その目から流れてる水は何？｣
｢....水。｣
｢晴、口に出して喋ってくれなきゃ分かるものも分からないよ。｣
あ......俺、この前も同じ事した。
学習、したはず、なのに......
裕也、凄く困った顔してる。
俺が、困らせてんだ。

なんで、こうも上手くいかないのだろうか。