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あたしの声に振り向いた、その女のコは…
真紀だった。
驚いて、固まるあたし。
真紀も驚いたみたいだった。
真紀…
ピアス穴、空けたんだ。
髪もけっこう切ったみたい…
可愛い…
机にノートを置いたまま、動けないあたし。
真紀は…
無言のまま広げていた教科書を閉じて、席を立った。
自分の迂闊さを呪いながら、あたしは席についた。
真紀は後ろのドアから講義室を出て行ったみたい。
周りのコたちはとっくに、あたしたちが喧嘩したことを知ってるはずだった。
だけど、何か言ってくるコは一人もいない。
あたしを見て、ヒソヒソ話するようなコもいない。
……真紀…
誰にも言いふらしたりしてないんだね。
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