再開

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ぐるぐると考えて考えて、出てきた言葉が 「写真、まだ続けてるんですか?」 そんなどうでもいい質問 だけど、もう今日出会うこともないだろうし。 今更知ったところで、何になるのかわからないし やっと吹っ切れてきたんだ。 もう、深入りしたくない。 「うん、趣味だけどね」 「今持ってますか?良かったら見せてくれません?」 「....んー。ま、いいよ。ちょっと、恥ずかしいね」 先輩は、照れたように笑ってみせた。 高校生のときと、変わらない笑顔だった。 一眼レフの画面に表示される写真を見ていく。 ピッ、ピッと無機質な機械音がボタンを押すことによってリズムよく鳴り続ける。 だけど、その音は一枚の写真で止まった。 「この写真....」 それは、初めて撮られたあの時の写真だった。 俺と、桜吹雪と、青空 「これ....」 「気に入ってるから。この写真だけデータ入れたんだ」 感動して、少し涙目になった気がした 「三年前から、君を忘れたことはなかった」 真剣な顔で、そう言われて ドクン、 心臓の音が全身に響いた こんなこと言われてときめかない奴なんているんだろうか。 きっと今、俺の顔は真っ赤だ 恥ずかしさを紛らわすために、また写真を見ようと、ボタンを押す 俺の写真の次に写っていたのは 俺の親友の、和佐だったーーー....
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