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マイ「ほら見て、また不思議なことを見つけた。」
日が上るまで歩き続けていると彼女、マイが真上を指差した。
僕も見上げてみるけれど不思議なことは何もない、ただのいつも通りの青空だ。
ユウ「…あ。」
いや、見つけた、不思議なこと、太陽はもう既に
登って大地を照らしているのに雲の奥には白い点々が見える。
ユウ「星が見える。」
マイ「うん、よくみると沢山光ってるよ。」
目を凝らしてみると確かに沢山見えた。
明け方ならまだしも今はすっかり日が上っている。
マイ「きっと終わるまでに一度だけ太陽を見たかったんだよ。」
彼女はそう言うとにこりと笑った。
そして再び目的地の山に向かって歩を進める。
僕は小さく口を開けながら上を見上げて歩いていた。
途中マイに前を見ないと危ないよ、と注意されたけれど、僕はどうしてか空の星が気になっていた。
白い点々、大きな点に小さな点、そして雲と太陽、もしかしたら月もどこかで見れるのかもしれない。
もし全部一緒に見られたらどんな景色なんだろうか?その時は夜なんだろうか?それとも朝なんだろうか?それはわからないけど、でもきっと、彼女と一緒に不思議だねって言い合うんだと思う。
マイ「あ。」
僕が空を見ているとマイが声を漏らした。
そして僕の裾を袖をクイと引っ張り前を指差す。
ユウ「村だ。」
そこにあったのは僕たちの知らない村。
昨晩から太陽が登るまで歩き続けたのだ。もう既にここは僕たちの知らないとても遠くの場所に来てしまったのかもしれない。
村のなかに入り、彼女と歩く。
終わってしまった村。
ここには既に誰もいない。
人のいた痕跡がそこらじゅうに見えた。
きっと賑やかな村だったに違いない。
僕たちは沢山建ち並ぶ中の一つの家の中に入ってみることにした。
マイ「おっきい家だね。」
ユウ「うん」
マイ「村長さんの家かな?」
ユウ「そうだとしたら何か僕たちの知らないものが見つかるかもね。」
マイ「大人しか知らない何かがあるのかも。」
ユウ「探してみようか。」
少しだけの寄り道。
誰もいない家のなかを歩き回り、面白そうなものがないか探してみる。
高級そうな壷や絵画、他には食器や物入れがある。
だけど、僕たちの興味を引くようなものは何も見至らない。
マイ「案外普通の家と変わらないね。」
ユウ「うん、ちょっと物が高級そうってところだけだね。」
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