存在10%

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今日も雨が続く 昨日も雨だった… ここ最近の天気は雨ばかり。 天気予報なんてあてにならない。 晴れ時々曇りといわれて傘を持っていかなかった日も、午後から雨が降って来たときには最悪としか言いようが無かった。 でも学校の皆はこのことを予想していたのかと思うほどに鞄の中に折りたたみ傘を準備していた。 濡れて帰るのは僕だけのようだった… 今日も天気予報を見て悩んでいた。 なんせ1日快晴だというからだ。 久しぶりの晴れというのも気持ちが良いなと思う反面、僕はこの情報を疑っていた。 外を見れば雲がポツポツと伺える。 …怪しい、また騙されるのか? そう思い朝食にご飯と味噌汁を食べながら傘を持って行くことを決意した。 さっさと身支度を整えて家をでた。 傘も忘れずに手に持ってから 「うわ、寒ーっ!!」 誰もいないのに、そんな言葉が口を走る。 もう冬も終わり、春になるというのにこの寒さ…信じられん。 桜も咲き出してもいい時季なのでは? そう思い、辺りを見渡すがピンクいろの明るい景色などどこにも見当たらない。 今日をやりきれば、春からは社会人か… 同じクラスだった人たちとも今日が終われば会わなくなるのか… 寂しいような、寂しくないような、そんな複雑な気持ちが心を過った。 通学路、始めは人気の少ない道だったが、目的地に近づくに連れ見たことのあるような顔でいっぱいになってきた。 とても狭い道にうちの学校の生徒たちで人集りができていく。 グループは沢山だ。 2人、3人と小規模なところもあれば10人くらいいるんじゃないかと思うくらいの大規模なグループもある。 そんな集合体の中に個体が存在した。 居て当たり前なのか、いなくてもなんの影響もないのかそんなことはどうでもいい。 ひとつ言えるとしたら、僕はどうでも良い存在であるということだろう。 それでも僕は歩き続けた。
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