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「イタッ!!」
誰かに後ろから頭を叩かれ声が漏れてしまった。
振り向いてみると小野雄也だった
「おはよ!!なにひとりでボーッと歩いてんの?」
僕に絡んでくるときの出だしはいつもこうだ。
「別に…いつも通りじゃん。」
そして僕は決まってこう返す。
「最後くらい違った返答したらどうなんwったく、相変わらずノリ悪いなーお前www」
「…。」
そして僕はいつもそれ以上はなにも言わない。
小野もここで、誰かしら友達を見つけてそっちに走っていって、僕は一人になる。
だけど、今日は違った。
「そういえばお前、なんで傘持ってんのww」
僕が傘を持ってくることを話題のネタに持ってきやがった。
「今日、天気予報晴れって言ってたじゃんww」
「いいじゃん別に…僕の勝手だろ?」
「もしかして、雨降るかもってビビったんだ?残念ながら今日の降水確率は10%だよwww」
…イライラする。
ほっとけよ、僕なんか…!!
僕の歩調がだんだん早まっていた。
「…急がないと遅れるぞ。」
僕はそう言って小野を置いて行った。
「大丈夫、まだ10分もあるしw」
その余裕が命取りなんだよ、バーカ。
その歩調だったらホントギリギリになるぞ。
なんて心の中で悪口を言いながら置いて行った。
卒業式で怒鳴られるなんて嫌だしね。
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