3度目の衝撃

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静かに扉を開け、奥に進んだ。 キョンは一心に前を見て、一人花鋏を手に大きな花器に白いバラを生けていた。 パチン、パチンとハサミの音が響く。 勇気を振り絞ってキョン、そう声をかけようとしたけれど思いとどまった。 深く深呼吸をして、どもらないようにゆっくりと名前を呼ぶ。 「恭一郎」 一瞬私の声にビクッとなったキョンは目を信じられないというような顔で振り返った。 「さっちゃん……? 何でここに? それに、呼び方……」 「キョ……恭一郎に言いたいことがあったから」 手が震える。 でも、もうキョンから逃げない。 あなたに出会って初めて知った自分。 あなたに、伝えたい。 ―――fin
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